腸内フローラと腸内環境
最近「腸内フローラ」という言葉をよく耳にすると思います。
腸の中にはさまざまな菌が繁殖していて、まるで花畑のように見えることから「フローラ(花畑)」にたとえているのです。
花畑にも雑草や野草が生えています。ときには雑草の勢いの方が強い場合もあります。同じように腸内フローラも善玉菌ばかりでできているわけではありません。善玉菌は全体のわずか1-2割にすぎません。じつは悪玉菌も1-2割にすぎません。では残りはというと、大半は「日和見菌」なのです。
選挙のときに支持政党を聞くと、与党が2割、野党が2割、残りの大半は「支持政党なし」と答えることがあります。しかしこの支持政党なしの人達が、ときに与党に傾くと「与党の圧勝」、逆に野党に傾くと「与党惨敗」になります。
同じようにいくら腸内環境を整えても、全ての腸内細菌を善玉菌にすることはできません。しかし善玉菌を元気づかせれば、日和見菌が善玉として働くので、体調はよくなります。逆に悪玉菌を元気づかせると、日和見菌が悪玉として働くので、一気に調子が悪くなります。
そこで腸内フローラの整え方についてお話ししましょう。
よい畑をつくるには「土を耕す」「肥料を与える」「種を蒔く」の3つの条件が必要です。これは腸内フローラも同じです。まず土を耕すとは、善玉菌が育ちやすい腸内環境をつくることです。
腸内細菌の土壌となるのは食物繊維です。
食物繊維には不溶性と水溶性の二つがあります。
不溶性食物繊維は食べたときに歯の間にはさまって、そのままの形で便に出てくるいわゆる「スジ」の部分です。腸の中の老廃物や毒物を絡め取ってくれたり、便の量を増やしてくれたりします。
ゴボウや葉物野菜、豆類、おから、切り干し大根などに多く含まれる「セルロース」や「リグニン」がこれにあたります。
水溶性食物繊維に歯ごたえはありません。ネバネバ系とサラサラ系があり、ネバネバ系は海藻類の「フコダイン」、ヤマイモやオクラの「ペクチン」。
サラサラ系はキノコの「βグルカン」、こんにゃくの「グルコマンナン」、ごぼうの「イヌリン」などです。
次回は腸内フローラに肥料を与え、種を蒔く方法についてお話ししましょう。
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